Shout

気張れ











ある事がきっかけで久し振りに会った友人と
少しだけだけどファーストフード店で世間話をした。

近況や昔話や知人の話･････

ちょっとした愚痴も言いながら
お互い歳をとったよなぁと笑って話をして。

時間が無かったので今後の事を簡単に話したあとは
店の外に出てお互い帰ることにした。

僕がバイクを駐輪場から出してヘルメットを被るあいだに
彼は煙草を吸いながら何気なく今の苦しい胸の内をポツリと話す。

弱音ではない。
今の現実をただ話しただけ。

でも、ヘルメットで顔の表情を隠してはいたが
明らかに僕の表情はこわばっていたはずだ。

「おぉ、そうか･･･」

不甲斐ない返事しか出来なかった僕はそのままエンジンを掛けた。

「またな」
「おう」
「気張っが！」
「おう」

そしてゆっくりお互い手を挙げ別の方向へ二人は帰った。

彼と次に会えるのはいつだろうか。
その時はまた馬鹿話と愚痴でも言い合おう。